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1980年後半に2chオカルト板に書き込まれた都市伝説「コトリバコ」を、#やさしい日本語 #SimpleJapanese でリライトしました。 よりわかりやすく簡単にするために、本来のストーリーとは違う表現が多くあります。詳しく知りたい方は、ご自分でお調べください。 【参考】 [ 洒落怖] コトリバコ – 2ch死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない? https://occultan.com/?p=167 スクリプトー-------------------- ある年の夏、久しぶりに実家に帰った時の話だ。幼馴染の誠が家に遊びに来ていた。誠は神社の息子だ。沙織も来ると言っていたが、まだだった。俺たちは沙織が来るまでゲームをした。1時間くらいして、ようやく沙織が来た。 「遅れてごめん。蔵でおもしろいものを見つけて…」 沙織は20cmくらいのものを鞄から出した。古い木の箱だった。誠はその箱を見て、急に怯えだした。 「ヤバい。ヤバいよ、それは。どうしよう、父さん今日いない」 「何? どうした? 沙織が何か連れてきた?」 誠は霊感がある。俺は、誠が幽霊を見たと思った。でも、違った。誠は急いでトイレに入って、吐いた。沙織と俺は、何が何だかわからなかった。わからないけど、怖かった。 「何? 説明して!」 「おい、誠!」 「その箱、触ってはいけない。絶対に」 誠は俺たちにそう言って、携帯で電話をかけた。 「父さん、ヤバい。友達が、コトリバコを持ってきた。…僕には無理だ。父さんみたいにはできない。…ううん、ない。箱だけ。…父さん、頼むよ。…わかった。…うん、僕がやる」 誠は電話を切った。それから、涙を拭いて、俺を見た。 「カッターか包丁ある?」 「えっ…あるけど、何に使う?」 「お祓い。僕が祓う。絶対負けない」 「やだもう、何なの…」 沙織の声は震えていた。俺はカッターを持ってきて、誠に渡した。誠はそのカッターで、自分の指を切った。 「沙織ちゃん、口を開けて!」 沙織は泣いていたが、口を開けた。誠は沙織の口に、血だらけの指を入れた。 「・・・・・・神明岩戸開け 奉りたり、畏み畏み申す」 誠は呪文みたいな言葉を、5回くらい繰り返した。それから、沙織の口から指を抜いた。沙織は赤黒い血をたくさん吐いた。 「よし、出た。できた。もう大丈夫だ。次!」 誠は血だらけの手を、今度は箱の上にのせた。 「高天原に神留座す神ろ岐神ろ美の…ダメだ、思い出せない。ちょっと手伝って。僕の携帯から父さんに電話して!」 俺は急いで誠のポケットから携帯をとって、電話をかけた。 「父さん。ダメだ、思い出せない。もう一度教えて!」 電話の向こうで誠の父親が呪文を言った。誠はそれを繰り返した。 「・・・畏み畏み申す! …できた。終わった。父さん、終わったよ」 俺は電話を切った。誠は泣いていた。10分くらい泣いていた。ようやく落ち着いてから、沙織に言った。 「沙織ちゃん。この箱、うちの神社で預かってもいい?」 「う、うん…」 「おい、誠! 何なんだよ、説明してくれ」 俺は誠に言った。でも、誠は首を横に振った。 「今はダメだ。父さんと相談する」 誠はずっと箱から手をはなさなかった。手を紐で箱に縛り付けて、そのまま神社へ持って帰った。 その箱は「コトリバコ」という。「子どもを取る箱」という意味だ。 昔、この近くに被差別地域があった。貧しくて、子どもが生まれても育てることができない親が多かった。村人たちは、他の地域の人を恨んでいた。あるとき、犯罪人が村に逃げてきた。村人たちは、もし彼を匿ったら差別がもっとひどくなると思った。それで、彼を殺す計画を立てた。しかし、その犯罪人が言った。 「殺さないでください。かわりに、呪いの方法を教えます」 その呪いが、コトリバコだった。それに触った女と子どもは、みんな死ぬ。女と子どもが死んだら、次の世代は生まれない。一族を滅ぼす呪いだ。作り方は、まず箱をつくる。その中に、育てることができない子どもの体の一部を入れる。8人だ。それからあることをするが、ここでは言わない。 村人たちは教えられたとおりにコトリバコを作って、効果を確かめた。隣村の、一番嫌いな女の家に、その箱を贈った。女はその箱に触ると、すぐ血を吐いて亡くなった。その家族の子ども7人も亡くなった。村人たちは次に綺麗な箱でコトリバコを作って、庄屋に贈った。庄屋の一族も滅びた。村人たちはコトリバコをたくさん作って、自分たちを差別した人たちに次々と贈った。みんな血を吐いて亡くなった。それで、誰もこの村の人々に近づかなくなった。 ある日、村の男の子がコトリバコを見つけて、家へ持って帰った。その日、その家族は父親以外みんな血を吐いて亡くなった。それでようやく村人たちは、コトリバコが自分たちにも危険なものだと気が付いた。 神社の神主に相談したが、呪いが強すぎて、すぐに祓うことができなかった。何世代もかけて、呪いを薄めなければならない。それで村の人たちは、たくさん作ったコトリバコを一つずつ自分の家へ持って帰って、世代が変わるときに神社で封印のお札をもらって、箱に貼った。それが呪いを薄める方法だった。沙織の家は、その一つだった。祖父が若いときに急死したから、家族の誰もコトリバコについて聞いていなかった。誠の家族は、それを一つ一つ見つけて祓っていると、後で聞いた。 コトリバコがある地域は、この村だけではないそうだ。 ー-------------------おわり
