Course Hive
Search

Welcome

Sign in or create your account

Continue with Google
or
Learn Japanese Through The Tale of Genji (N5+):源氏物語8 花宴/#8 Banquets of Flowers
Play lesson

Learn Japanese Through Story - Learn Japanese Through The Tale of Genji (N5+):源氏物語8 花宴/#8 Banquets of Flowers

4.0 (6)
41 learners

What you'll learn

This course includes

  • 23.5 hours of video
  • Certificate of completion
  • Access on mobile and TV

Summary

Full Transcript

【主人公】光源氏(ひかる げんじ):帝と薄幸の更衣との間に生まれた皇子。絶世の美男子。 [The protagonist] Genji; a prince born to an emperor and an unfortunate wife, the most beautiful man of all time Playlist: https://youtube.com/playlist?list=PLJov1NnDE_N8SsW5UKTXZUbll1QNLvsUU スクリプトーーーーーーーーーーーーーーー 春、宮中で桜の宴があった。その日は桜も満開で、天気も良かった。天皇とその妻たち、子どもたちが、特別席に並んで座っていた。藤壺は今、女として一番上の位にいる。皇太子の母、弘徽殿は、自分が二番目になってからずっと機嫌が悪かった。しかし宴が好きだから出席していた。 詩が上手な人たちは初めに、お題を籤引きで決めた。そのお題に合った和歌や漢詩を作って、できたら発表するのだ。源氏は籤引きを引いて、「私のお題は、『春』です」と言った。その声がきれいで、みんなが褒めた。次の頭中将の声も良かった。それから楽器の演奏があった。夕方ごろ、舞が始まった。皇太子は、去年の紅葉賀の源氏の舞を思い出して、また見たいと思った。それで、桜の帽子飾りを源氏に与えて、「あなたも舞いなさい」と言った。天皇や皇太子が帽子飾りを与えることは、の人を自分の部下として優遇するという意味がある。 しかしこれは天皇の宴だ。皇太子が自分より目立つ義母弟に権力を見せつける場ではない。源氏はちょっと嫌な気持ちになったが、断ることもできなかった。それで、ちょっとだけ簡単に舞った。それでも十分美しかったから、みんな感動した。娘婿が家に来ないと悩んでいる左大臣さえ感動の涙を流した。 「次は頭中将だな」と天皇が言って、中将も舞った。練習してきたのか、源氏より長く丁寧に舞った。それで天皇は中将に自分の着物を与えた。それから後は暗くなってしまって、上手か下手かわからなくなった。すっかり夜になってから、源氏が和歌を詠んだ。声も内容も素晴らしかった。 みんながひとつひとつ褒めるから、他の人より時間がかかった。 源氏は何をしても上手で、美しい。ずっとみんなの注目と賛辞を集めている。天皇が彼を特別に思うのもわかる、と藤壺は源氏を遠くから見て思った。みんなが愛さずにいられない彼を、弘徽殿は、どうして憎むことができるのだろう...。そう考えてから、藤壺は気が付いた。自分は無意識に源氏のことばかり考えている。良くない、と藤壺は思った。 「美しい花を、素直に美しいと思えたらいいのに…」 と彼女は密かにつぶやいた。 夜遅くなってから、桜の宴は終わった。貴族たちはみんな帰って、藤壺も皇太子も自分の御殿に戻った。源氏は酔っていた。少し歩きたかった。空には薄い雲をかぶった下弦の月があった。 藤壺の御殿へ行ったが、どこもしっかり鍵が掛かっていた。源氏はガッカリした。帰るとき、弘徽殿の御殿の前を通った。弘徽殿は今晩、天皇の部屋にいるはずだ。近づいて見ると、入口のひとつの鍵が開いている。人の気配はない。 「不用心だな。こういうときに男女の間違いが起こるんだ」 源氏は心の中で言って、静かに中に入った。廊下の向こうから若い女の声がした。 「春の夜の朧月夜に似るものはない...」 有名な和歌を口ずさみながら、こちらへ来る。源氏は気配を殺した。すれ違うとき、彼女の袖を捕まえた。女はビックリして、「誰か、ここに怪しい人が」と助けを呼んだ。源氏は彼女の耳元でささやいた。「私は怪しい人じゃありませんよ。こんな夜遅くに巡り合った。これは運命だと思いませんか」 源氏は女を抱き上げた。部屋の中に入って鍵を掛けた。女は震えて、また「誰か...」と言った。源氏は彼女を床に降ろして、優しい声で言った。 「呼んでも無駄ですよ。私は何をしても許されるんです。それより、静かに話しませんか」 その声で、女はこの男が誰かわかった。あらゆる女性が憧れる源氏である。すこし安心した。それでも、この状況で受け入れてはいけないと考えて、抵抗した。しかしその力は弱かった。源氏は酔っていた。 朝になった。源氏はこの女とまた会いたいと思った。 「あなたに手紙を送りたい。誰に宛てて書いたらいいですか。教えてください」 女は心乱れていた。初めてのことだったから。 「私が誰か言わなかったら、貴方は私を探さないんですね。こんなことをして、私はもう生きていられないかもしれません。野花の下までは貴方も探しに来ないでしょう」 その仕草も声も、可憐で美しくて、源氏の心を惹いた。 「そんなことを言わないで。私があなたを探したら、みんなの噂になって、あなたも困るでしょう? どうか教えて──」 廊下で人の気配がした。侍女たちが朝の仕事を始めたのだ。源氏は急いで自分と彼女の扇を取りかえて、密かに部屋を出た。 彼女は弘徽殿の妹の一人だと思うが、どの妹だろう。源氏は自分の部屋に戻って考えた。右大臣には弘徽殿の他に娘が5人いる。頭中将の奥さんは四女だから、年齢から考えて、五女か六女のはずだ。六女はもうすぐ皇太子と結婚すると聞いた。もし彼女が六女だったら、可哀そうなことをした。 「でも、宴の夜に鍵を掛けないのが悪い」 しっかり閉まっていた藤壺の御殿を思い出して、源氏は弘徽殿を悪く言いたい気持ちになった。 持って帰った扇は桜色で、霞んだ月が描かれている。豪華なものではないが、長く大事に使っていた跡がある。 「広い空に、夜明けの月を見失ってしまうのか...こんな気持ちは初めてだ」 惟光に頼んでしばらく探したが、朧月夜の君が誰か、なかなかわからなかった。 桜の季節が終わるころ、右大臣が自分の屋敷で藤の宴をするという。新しくて派手なものが好きな右大臣は、もちろん源氏も招待した。宴の日、右大臣の四男が宮中へ源氏を迎えに来た。 「普通の花だったら招待しません。うちの屋敷の遅咲きの桜は、特別美しいんです。ぜひ来てください」 天皇はそれを聞いて、笑った。 「右大臣はお前に自慢したいのだ。有力な大臣だし、私たちの親戚でもあるから、行ってあげなさい」 源氏は右大臣の趣味があまり好きではない。わざわざ暗くなってから、皇子だけが着られる美しい着物を着て出かけた。 源氏が宴の場に現れると、みんな彼に注目した。右大臣の桜も美しいが「源氏の君のほうがもっと美しい」とみんな思った。 夜遅くなって、楽器の演奏も終わった。源氏は酒に酔ったふりをして、女性たちがいる建物に近づいた。 「大臣が酒を勧めるから、飲みすぎてしまいました」 御簾越しに声をかけると、近くの女が応えた。 「源氏の君が断っても、右大臣は怒りませんよ」 聞いたことがない声だった。少し見えている着物も、強い香も、派手で贅沢で、源氏の好みではない。 「石川の高麗人に扇をとられて...」 有名な「石川の高麗人に帯をとられて」という歌を、源氏はわざと間違えて歌った。 「あらあら、変な高麗人ですね」 女たちはみんな笑った。その中で一人、ため息を吐いた人がいた。源氏はその人の近くへ行って、御簾越しに手を掴んだ。 「朧月を見失ったから、私はこんなところまで来てしまいました」 と言うと、その人は小さい声で応えた。 「心から想っていたら、きっと見失わなかったでしょう」 その声は、弘徽殿の御殿で聞いた、あの人の声だった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーつづく

Course Hive

Continue this lesson in the app

Install CourseHive on Android or iOS to keep learning while you move.

Related Courses

FAQs

Course Hive
Download CourseHive
Keep learning anywhere