Summary
Keywords
Full Transcript
古典落語『時そば』を #やさしい日本語 #EasyJapanese #SimpleJapanese でリライトしました。 面白味が伝われば幸いです。 三遊亭小遊三師匠の「時そば」を参考にしています。 ここのつ=子の刻(深夜0時ごろ)、よっつ=亥の刻(夜10時ごろ)がオリジナルです。 時間の表現は四時と九時が覚えにくいので、あえてそのまま今の時刻に置き換えましたが、 四時だとまだ明るいので間違えようがないですね。 【音楽】 DOVA-SYNDROME様 https://dova-s.jp/ 【イラスト・写真】 いらすとや様 https://www.irasutoya.com/ illust AC様 https://www.ac-illust.com/ スクリプトーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ある晩、男が屋台で蕎麦を食べていました。 「屋台の蕎麦は十六文と決まっているが、この蕎麦はおいしいですね。箸もきれい。どんぶりも立派だ。 こんなにサービスがいい店は珍しいですよ、ご主人」 「ありがとうございます」 「ああ、おいしかった。お金を払います。手を出してください」 蕎麦屋の手に、男はお金を置きました。 「一、二、三、四、五、六、七、八、…今、何時ですか」 「えーと、九時です」 「九時か…、十、十一、十二、十三、十四、十五、十六。ごちそうさまでした」 近くで、別の男がそれを見ていました。 「よくしゃべる人だったなあ。でも、へんなタイミングで時間を聞いたなあ。一、二、三、四、五、六、七、八… 今何時ですか、九時です、十、十一、十二、十三、十四、十五、十六…、あれっ? あの人、十五文しか払わなかった」 蕎麦を食べた男は、代金をごまかすために、蕎麦屋に時間を聞いたのでした。 「頭がいい男だ。おもしろい。私もあの男の真似をして、蕎麦屋を褒めて、代金をごまかしてみよう。五、六、七、八、今何時ですか、だな。簡単だ」 次の日、男は小銭を持って、夕方から蕎麦屋を探しました。 「あ、見つけた。かわいそうな蕎麦屋。すみません、蕎麦を一つ、ください」 「はい、どうぞ」 「いただきます。屋台の蕎麦は十六文と決まっているが、このの蕎麦はおいしいですね…あれっ、おいしくない。 えーと、この箸もきれいですね…、古くて汚い。どんぶりも…、割れています。こ、こんなにサービスがいい店は、珍しいですよ、ご主人」 「そうですか、どうも」 「…全然おいしくない。でも、まあ、代金をごまかすために蕎麦を食べに来たからな…。えーと、ご主人、ごちそうさま。お金を払います。手を出してください」 蕎麦屋の手に、男はお金を置きました。 「一、二、三、四、五、六、七、八、今何時ですか」 「四時です」 「四時か…、五、六、七、八、…今、何時ですか」 「四時ですよ」 「えっ、あれっ? えーと、五、六、七、八…今、何時ですか」 「だから、四時ですよ」 「おかしいな。五、六、…」 「もう十六文もらいましたよ。ありがとうございました」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおわり
