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Learn Japanese Through Story (N5) : 羅生門 / Rashōmon
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Learn Japanese Through Story - Learn Japanese Through Story (N5) : 羅生門 / Rashōmon

4.0 (6)
41 learners

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"Rashōmon" (羅生門) is a short story by Ryūnosuke Akutagawa based on tales from the Konjaku Monogatarishū. The story was first published in 1915. Akira Kurosawa's film Rashomon (1950) is in fact based primarily on another of Akutagawa's short stories, "In a Grove"; only the film's title and some of the material for the frame scenes are borrowed from "Rashōmon". The story recounts the encounter between a servant and an old woman in the dilapidated Rashōmon where unclaimed corpses were sometimes dumped. 芥川龍之介作『羅生門』を、#やさしい日本語 #EasyJapanese にリライトしました。語彙が難しいですが、文法はさほど難しくないと思います。 【音楽】H/MIX GALLERY  http://www.hmix.net/ 【イラスト】IllustAC  https://www.ac-illust.com/ SilhouetteAC  http://www.silhouette-ac.com/ スクリプト(動画の字幕と完全に一致するものではありません)---------- ある日の夕方、男が一人、羅生門の下にいた。雨が降っている。 広い門の下に、他に誰もいない。最近京都は、地震や火事や飢饉が続いた。人々は仏像を壊して薪として売っていた。羅生門が壊れても、修理する人はいない。家族がいない死体をここへ持ってきて、捨てたりしていた。気味が悪いから、夜は誰も近づかない。 いつも烏が死体を食べに来るから、白い糞が、たくさん落ちている。男は階段に座って、右頬のにきびを触っていた。 雨がやんでも、することがない。四日前に、仕事がなくなった。帰る家もなくなった。明日から、どうやって暮らしたらいいか──考えても、どうにもならない。雨はやまない。なにもしなければ、飢え死にするだ。死にたくない。なんでもする。なんでも──「泥棒になる」と決心する勇気が、男にはまだ、なかった。 男は大きいくしゃみをして、立ち上がった。寒い。冷たい風が吹いている。男は肩を高くした。雨や風の心配がいらない、一晩寝ることができる所を、探さなければならない。 見ると、門の上へつづく梯子があった。上はきっと、死体だけだ。男は、腰にさげた刀に気を付けて、梯子をのぼった。 それから数分後。男は梯子の途中で、息を殺していた。上から小さい光が漏れて、男の右頬のにきびを照らしていた。光は、動いている。蜘蛛の巣の影が、天井裏で揺れた。雨の夜、この羅生門の上に、生きている人間がいる。まともな人間ではない。 男は静かに、梯子の上までのぼった。恐る恐る、見た。 死体がたくさんある。裸の死体、服を着ている死体、女の死体、男の死体、口を開けているもの、閉じているもの。ぼんやりした光で、影が動いている。話すものは無い。死体が腐った臭いがする。男は鼻を覆った。しかし次の瞬間、男は、見た。死体の中に、老婆がいる。背が低くて、髪が白くて、痩せている。右手に火をつけた木切れを持って、死体を見ている。髪が長い、女の死体だ。老婆は、その死体の髪を、一本一本、抜いた。 男の心から、恐怖が、だんだん無くなった。かわりに憎悪が、すこしずつ膨らんだ。──いや、この老婆に、ではない。あらゆる悪に対する憎悪が、だんだん強くなった。今男に「飢え死にするか、泥棒になるか」と聞いたら、ためらわず、飢え死にを選ぶだろう。男は正義感に燃えた。 どうして老婆は死体の髪を抜いているのか。男はもちろん、理由を知らない。だからそれが善か悪か、合理的には、わからない。しかし、雨の夜に、羅生門の上で、死体の髪を抜くことは、絶対に悪だ。許すことができない。男は、数分前に自分が「飢え死にするか、泥棒になるか」と考えていたことは、完全に忘れた。 男はいきなり、梯子から上へ飛び上がった。刀に手をかけて、老婆の前へ出た。老婆は驚いて、飛び上がった。 「どこへ行く」 男は、慌てて逃げる老婆の腕をつかんだ。骨と皮だけの腕だった。 「何をしていた。言わなかったら、殺す」 老婆は、黙って震えている。男は初めて、老婆の命を自分が支配していることを意識した。いつの間にか、正義感は消えた。仕事が成功した満足感があった。男は老婆を見下して、言った。 「俺は役人じゃない。こんな時間に、こんな所で何をしていた。話したら、許す」 老婆は目を大きくして、男の顔を見た。それから、小さい声で言った。 「この髪を抜いて、鬘にする」 男はがっかりした。つまらない答えだ。また憎悪が、侮蔑といっしょに心の中へ入ってきた。老婆は、続けた。 「確かに、死体の髪を抜くことは、良くないかもしれない。でも、ここの死体はみんな、生きている時、良くないことをした。この女は、魚だと嘘をついて、蛇の肉を売っていた。生きるためにやった。しかたがなかった。だから私が髪を抜いても、この女はきっと私を許す」 男は、にきびを触っていた。心の中に、勇気が生まれた。正義感とは、逆の勇気だ。「飢え死にするか、泥棒になるか」今男の心に、飢え死には、なかった。 「きっと、許すか」 男は老婆の襟を掴んで、言った。 「では、俺がおまえの物を盗っても、恨まないな」 男は老婆の着物を剥ぎ取った。それから、しがみつく老婆を蹴り倒して、素早く梯子を下りた。 老婆は、しばらく倒れていたが、やがて起き上がった。梯子の所から、白髪を垂らして、下を見た。ただ黒い夜が、あるだけだった。 男がどこへ行ったか、誰も知らない。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおわり

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